こんにちは!プロオンライン家庭教師のめじろです。
政治家の中でも、ひときわ輝く学歴の持ち主がいます。現北海道知事の鈴木直道(すずきなおみち)氏です。
「学歴や偏差値が優秀」ということではなく、「その人の人生が詰まっていそうな学歴」を見ると、筆者は「輝いてるな~!」って思います。
鈴木氏については色々な政治面での実績もありますので、学歴だけでなく、経歴も併せてわかりやすく紹介していきますね。
北海道知事鈴木直道の生い立ち|苦労人だった?埼玉で生まれ母子家庭に
鈴木氏は、埼玉県春日部市に生まれ、同県三郷市で育ちました。
高校2年生のとき、親が離婚し母子家庭に。
家計を支えるために特別に学校に許可をもらい、アルバイトをいくつも掛け持ちしていたそうです。
母親も仕事を掛け持ちし、お姉さんも大学を中退し、働きに出るようになったとのことで、かなり厳しい状況だったことが想像できます。
鈴木氏は、知事になってからの成人式でのスピーチで、自身が母子家庭だったことも語りながら、「恥ずかしいかもしれないけれど、親にはしっかり面と向かってお礼を言ってほしい。」と述べています。
当時のつらい状況でご本人も苦労したはず。家族が支えあって生きていくことの大事さを、自身のリアルな経験から、若い人に伝えてくれるのは素敵だと思いました。
北海道知事鈴木直道の学歴①|出身小学校・中学校・高校・偏差値は?
鈴木氏は、高2で母子家庭となり、経済的にも困難になりましたが、それまでは普通の生活を送っていたと思われます。
出身小学校・中学校については公式情報がありませんでしたが、高校は埼玉県立三郷高等学校を卒業しています。
三郷高等学校の偏差値は41と低め。
筆者はプロ講師ですが、偏差値ではなく「その人がどう生きるか」の方に興味があります。
のちに鈴木氏と知事選をあらそう石川氏は、函館ラサール高校(高偏差値)出身ですが、公立高校(しかも低偏差値)出身の鈴木氏が勝ちました。こういうエピソードを見聞きすると、偏差値で成功や人生は量れないなと思いますね。
北海道知事鈴木直道の学歴②|高卒→都庁に就職→大学へ
鈴木氏は、家計困難で大学進学をあきらめ、高卒で東京都庁に就職しました。公務員試験の受験に必要なテキスト代は、アルバイトから捻出したとのこと。
東京都庁を志したのは、貧しい家庭なりに、行政から支援を受けていることを知り、「弱い人を助ける仕事がしたい」と思うようになったからだそう。地獄を経験したからこそ、目標が定まったということですね。
その後、都庁の仕事に慣れてきた2年目、法政大学の二部(夜間)に合格。仕事と学業を両立することになります。
北海道知事鈴木直道の学歴③|学生時代はボクシングもやっていた
都庁で働きながらの大学生活は大変で、なんとか単位を取得しないといけません。
鈴木氏は、単位をもらえると聞いて、ボクシング部に入部。顔にあざをつくって出社することあったのだとか。結局ボクシングにのめりこみ、主将までつとめました。
北海道知事鈴木直道の経歴①|ボクシングで石原慎太郎氏に気に入られ夕張へ?
都庁8年目になって、それまで東京で働いていたのが、はじめて夕張への派遣の話が入ってきました。
財政破綻した夕張市に、東京都が応援として職員を派遣するというもので、副知事だった猪瀬氏の「生きのいい人を派遣したい」との意向と、当時の石原慎太郎都知事がボクシング好きであったことなどから、鈴木氏の名前が挙がったとのこと。
鈴木氏は、2008年に夕張に移りました。
北海道知事鈴木直道の経歴②|全国最年少で市長に当選・夕張の財政破綻を再生
鈴木氏は、夕張で地元の再生につとめ、3年後、夕張市長選に出馬。30歳で全国最年少市長として選ばれ、2期(8年)つとめあげます。
鈴木氏は、夕張市の再生のため、自身の給料も年250万円まで削減。雑所得など含めると金額はもっと上がるとは思いますが、政治家としては低い金額です。
2期が終わる頃、やっと夕張市の借金返済のめどがたったとのことで、3期目もつとめるつもりでした。
そんな中、16年間北海道知事をつとめあげた高橋はるみ氏が、不出馬となり、鈴木氏が北海道知事候補として注目を浴び始めます。
地元支持者の後押しもあり、2019年鈴木氏は38歳で北海道知事に就任しました。
北海道知事鈴木直道の経歴③|いきなり無所属で北海道知事に出馬表明
鈴木氏の出馬については、北海道議会からは、すでに北海道で国交省官僚の経験がある和泉晶裕(いずみあきひろ)氏を推す声も強く、道議の半数以上が和泉氏を推していました。
しかし、世論調査で鈴木氏が大きく抜き出たため、鈴木氏にも勢いがつき、両者が拮抗するかたちに。
その後、鈴木氏は自民党の候補選びの結論を待たず、いきなり無所属で出馬。公明党が鈴木氏を支持し、かねてから本人の出馬意思が低かった和泉氏は、不出馬を決めました。
鈴木氏の「いきなり無所属で出馬意思表明」は議論の余地ありでしたが、公明党の支持・泉氏の不出馬決定をうけ、自民党も鈴木氏を推薦せざるをえない状況となり、与党として鈴木氏を推薦することで一致。
野党である立憲民主党は、小沢元総理の秘書で政治資金問題で失職した元衆議院議員の石川知裕氏を候補に据えましたが、投票の結果、2019年、鈴木氏が38歳で北海道知事に就任しました。
北海道知事鈴木直道と官房長官の菅義偉氏の関係
鈴木氏と菅官房長官は、同じ法政大学卒であるため、親交が深いといわれています。
政治上も関わりがあり、夕張市が財政破綻した際、菅氏が総務相だったことも理由のひとつ。実際に、鈴木氏が北海道知知事に出馬の際、菅氏は鈴木氏の応援演説にかけつけています。
知事や議員などの政治家には東大・早慶出身者が多いですよね。鈴木氏・菅氏のように法政大学出身者は少数派といえるため、より一層絆が深いのではと思います。
北海道知事鈴木直道氏の決断|武漢の前例がある中国人も支持したコロナ対策
2020年2月25日、新型コロナウィルスが北海道内で広がりを見せ、東京都の感染者数より、北海道の感染者数が多いという異常事態に。
国政が対応にまごついている中、翌日26日に、鈴木氏は北海道のすべての小中学校に1週間の休校を要請しました。
その2日後の28日、鈴木氏は独自に「緊急事態宣言」「外出自粛要請」を発表。
これらの要請のきっかけは、政府の専門家会議メンバーの助言。
今でこそ当たり前になっていますが、2月時点ではほとんど言われていなかった、「軽症者が知らずに感染拡大させているのではないか」という仮説から、「接触を減らす」という方針を提示しました。
こうした迅速で思いきった対応は、武漢でのコロナ流行を経験した中国でも話題に。SNSでは、鈴木氏が「自分が責任を取る」と公言したことが中国で拡散されたとのことです。
北海道知事鈴木直道の学歴・生い立ち・経歴まとめ
財政危機の夕張を立て直した夕張市長であり、今回はコロナ危機に対応した知事となりました。学歴や偏差値としては、決して優秀だったり高いわけではありませんが、若くしてこれだけの実績がある事例もあるということです。
鈴木氏が夕張に派遣されたきっかけは「生きがよかったから」ですし、いろいろな偶然や出会いと努力・継続が重なって、今の活躍があるんですね。
東大出身が当たり前の政治の世界ですが、将来大きなことを成し遂げたい中学・高校生の方は、学歴に左右されない政治家もいるということを、知っておいてもらえたらなと思います!